ここ数年、インターネットの利用の拡大に伴って、Facebook, YouTube, Mixi, Twitterなどのソーシャルメディアが注目を集めてきています。雑誌やニュース記事からも連日、ソーシャルメディアのマーケティングへの利用の記事でにぎわっています。先日、電通の売上高に関するニュースでも、インターネット広告が雑誌広告の売上を上回っていると報告があったばかりですね。
こうしたニュース記事等を見ていると、ソーシャルメディアはB2C(消費者向け)がB2B(企業間取引)よりも積極的に採用されているように見えます。
と思いきや、米国のモノではありますが、面白い記事を発見しました。
BtoB企業とBtoC企業、どちらがソーシャルメディア活用に積極的?
ソーシャルメディアへの広告出稿、ユーザーの評価やレビューの監視/サポート、顧客や見込み客のためのオンラインコミュニティなどの項目においてはBtoC企業が先行しているという(表)。
ここまでは、やっぱりね。という感じです。マーケティング系の雑誌などにあげられるソーシャルメディアの成功事例と異なりませんね。
しかしその一方で・・・
すでにソーシャルメディアを利用しているBtoB企業は、特にマイクロブログや第三者サイト上での議論への参加、様々なソーシャルメディア上での企業に関する書き込みの監視などの項目で、BtoC企業よりも活動的だとしている
実際には、調査結果も引用記事にあります。数字としても、ある程度傾向が出ています。
おそらく、この背景には特にその購買プロセス(行動)において、B2CとB2Bのマーケティングアプローチの違いがあると思っています。
まず第一に、ターゲット顧客となる人の専門性が異なります。
B2Cでは、消費者は消費者でありあまり限定されません。さらに、購買にあたり深い専門知識を持たない場合がほとんどです。菓子やジュースでも、その成分の特徴や特徴などに大きな関心を持たなくても、その購買行動は進みます。
一方でB2Bでは、購買者が限定されますね。B2Cとは異なり、B2Bでマス向けにマーケティング活動をする機会はほとんどありません。たとえば、部品、IT関連、什器でも、購買担当を通じて購買するものの、深い知識をもった専任の担当者が意思決定者であり、マーケティング活動のターゲットになります。
先ほどの調査結果からもわかるように、プロファイル(ターゲットの特徴)をきっちり押さえて、ソーシャルメディアを利用したマーケティングでもターゲットを絞り込んでいます。
BtoB企業は全体的に見て、ソーシャルネットワーク上でプロフィルを維持する傾向がより強く、より多くのソーシャルサイト上でプロフィルを管理している。特に「Twitter」「LinkedIn」「YouTube」では、かなり多い傾向にある。
さらに、ターゲットに加えて、B2BとB2Cでは購買行動が異なります。
B2Cでは、AIDMAなどに代表される特徴的な消費者行動があります。AIDMAは、A:Attention(注意を引く)、I:Interest(興味をそそられる)、D:Desire(欲しくなる)、M:Memory(記憶する)、A:Action(購買行動を起こす)といった、一連の消費行動のパターンを示しています。このプロセスには、店頭での販売活動や宣伝広告による、衝動的な感情の影響は決して少なくありません。
B2Bでは、情報収集により案件が発生し、その案件への要件が決定され、他社製品や代替製品との比較が行われ、評価し、そして購買へと流れていきます。この購買時でも、社内稟議など、極めて論理的な意思決定の元、購買行動が進みます。
こうした基本的な違いが、ソーシャルメディアを利用したマーケティング方法の調査結果にも表れていて興味深いです。
そうなれば、もっとB2Bでもソーシャルメディアをマーケティング活動に積極的に取り込むべき、と結論付けられるかもしれません。しかし、B2Bでは、レビューの監視、サポートをする場合でも、それなりの業界における専門的な知識を有する必要があります。そのため、簡単に社内リソースを割いて、ソーシャルメディアの積極的な活用に踏み込めない背景があるのだと思います。

コメントする